特集投稿原稿募集について

 

『平和研究』第63号 (2024年11月刊行予定) 

特集テーマ:「平和の歴史、暴力の歴史」

 

 企画趣旨:

 平和研究はどうしても現状分析に比重が置かれ、『平和研究』の特集テーマとして「歴史」を正面から取り上げることはこれまでになかった。だが、ロシアのプーチン大統領が「ロシア人とウクライナ人の歴史的一体性」を根拠にウクライナへの侵略戦争を始めた例に見られるように、歴史には戦争・暴力を引き起こす力もあれば、平和を生み出す力もある。

 とりわけ冷戦後、史実の確定や基本的な方法論がないがしろにされ、自国・自民族中心的な「本音」にかなった心地よい「物語」が(新自由主義の利潤至上主義とも手を携えながら)横行するようになったのは、重大な問題である。ほかでもない日本では、いわゆる「2012年体制」の下で、歴史否定と軍事化が並行して進行している。

  年輩の方々がしばしば、現在の日本の風潮は戦前と酷似していると述べられていることにつけても、平和を阻害する暴力や紛争の原因、条件や結果、さらには平和の理念・活動・政策を歴史的文脈で捉える必要があるのではないか。危機の時代にこそ、長いスパンで物事を見、人間の内面に迫ろうとする人文知的知見(もとより隣接する専門知との対話を前提とした)が求められていると考えるからである。    

 人間社会のさまざまなあつれきと同様、歴史的な平和・紛争研究も、グローバルからローカル、さらに個人に至るまで、さまざま次元でのアプローチが考えられる。本号では、実証性とともに平和の価値を追求する規範性を意識しながら、国家を擬人化し、また国家と自己同一化して戦争を促し受容させるような歴史像へのオルターナティヴを提示したい。

 

1 投稿資格

投稿資格を有するのは、平和学会の会員、もしくは投稿申込以前に入会申込書が平和学会事務局に受理されている方です。なお会員に広く執筆機会を提供するために、投稿を希望する号より前の3号に原稿が掲載されている会員については、投稿資格は認められません。

 

2 原稿の種類

投稿原稿の種類には、平和研究に関する研究論文、研究ノート、書評論文の3種類があります。詳細については執筆要領をご確認ください。応募された投稿原稿が多数となった場合には、研究論文の掲載を研究ノート、書評論文より優先することがあります。また研究論文として投稿された場合であっても、査読の結果、研究ノートとして掲載を認める場合があります。なお、投稿原稿は未発表のものでなければならず、同一の原稿を学会誌以外に同時に投稿することはできません。平和学会の研究大会・集会時に提出をしたフルペーパーは、未発表原稿として扱います。

 

3 投稿申込締切と投稿原稿提出締切

投稿申込締切は2023年10月20日、投稿原稿提出締切は同年12月20日です。

 

4 投稿申込

原稿を投稿する2ヶ月前までに、投稿原稿の要旨と執筆者情報を所定の書式(書式1書式2)で提出してください。

 

5 原稿の投稿

投稿に際しては、刊行・編集規程投稿規程執筆要領を確認のうえ、これらの規定に則って原稿の執筆と投稿を行ってください。これらの規定に定められた要件を満たしていない原稿は、受け付けることができませんのでご注意ください。

 

6 投稿申込・原稿送付の連絡先

メールで下記のアドレス宛にご連絡ください。

psaj25journal(a)gmail.com  ((a)は@におきかえてください)

第25期編集委員会 木戸 衛一宛

メール送信後1週間以内に受信確認の返信がない場合には、再度ご連絡ください

 

7 査読結果の通知

原則として投稿後3カ月以内に査読結果を通知します。

 

8 オンライン・ジャーナルへの掲載

完成した原稿からオンライン上で逐次刊行となります(完成原稿から先行公開されます)。 原則として掲載可となった原稿は、投稿から1年以内の刊行を予定しています。