本学会について

 

 1973年に設立された本学会は、変わりゆく現実に対応しながら、平和な世界を実現するための学術活動を持続的に展開してきました。国家間紛争はもとより、軍事主義、不均衡な社会構造、貧困、環境・人権への脅威、差別など人間の安全を脅かす諸要因の除去に向けて、学際的な研究を積み重ね、平和の構想を提示してきています。

 通常の活動として、定例の春季研究大会と 秋季研究集会のほか、全国7つの地域における地区研究会の実施、さらに、学会誌『平和研究』(年2号)のオンラインでの刊行と無料公開、平和賞・平和研究奨励賞の授与、平和研究助成金の支給、平和学に関連する事典や書籍の編集・刊行などを行っています。

 各地からつどう多彩な専門領域を有する会員の数は現在およそ600名ですが、平和をとりまく諸条件は絶えざる変動を続けています。多様な暴力が行使され続けている現代において、<脱暴力>の思想に共鳴するより多くの人たちに、本学会の実践的研究の輪に加わっていただきたいと念願しています。

会長:佐藤史郎

 このたび27期の会長を拝命いたしました佐藤史郎です。27期では、「平和学会の歴史を紡ぐ」をスローガンに、(1)平和学の学際性と開放性、(2)学術成果の発信、(3)運営体制の強化をキーワードとして、日本平和学会の学術的・社会的意義の向上を試みます。

 まず、(1)平和学の学際性と開放性についてです。平和学の強みの1つは、その「学際性」にあります。様々な専門分野の会員が所属している日本平和学会では、多角的に、かつ、横断的に、平和をめぐる問題を考えることができます。日本平和学会は、平和を実現するために、自らの学際性をさらに高めていくことが求められているといえるでしょう。また、「開放性」も求められています。平和学は、非暴力的手段を用いて平和を実現するという、価値志向性をもつ知的・学問的運動です。しかし、同じ価値志向性を共有していない知的・学問的運動と日本平和学会は、どのような関係性をもつことができるのでしょうか。日本平和学会の学術的・社会的意義を高めるためには、日本平和学会の会員以外とも対話するという開放性が求められていると考えます。

 つぎに、(2)学術成果の発信については、「気候危機と21世紀の平和」プロジェクトと「ジェンダーと交差性」プロジェクトによる書籍刊行の準備を推し進めていきます。また、学会設立60周年記念事業に向けて、その方向性を定める必要があります。たとえば、記念事業の1つとして、書籍3冊の刊行を検討したいと思っています。そのうちの1冊は30代・40代の会員を中心とした執筆陣をお迎えできればとも考えています。

 最後の(3)運営体制の強化についてですが、「学会運営検討」ワーキンググループを軸に、「日本平和学会平和賞・平和研究奨励賞」の対象条件等の見直し、Web選挙の導入、ニューズレター等のPDF化、会計業務の一部委託などを検討することで、日本平和学会の活動を支える基盤を強化していきたいと考えています。

 上記いずれも、会員のみなさまのお力添えが必要です。これからの2年間、どうぞよろしくお願いいたします。

 

副会長:熊本博之

 世界が急速に暴力性を強めるなか、平和的な課題解決の道筋を示していくことは、日本平和学会の使命です。この使命をしっかりと果たすことのできる学会となるよう、佐藤会長の下、副会長として尽力いたします。より具体的には、会長が掲げる27期のキーワードのうち、(3)運営体制の強化に務めていきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 

副会長:下谷内奈緒

 何を平和と捉え、それをどのように実現するのか。「平和」が意味するものが多様化するなか、平和学会のこれまでの学術的・社会的蓄積を踏まえつつ、新たな歴史を紡いでいけるよう、佐藤会長のもとで尽力したいと思います。

 

事務局長:中村長史

 「第二次世界大戦後最悪の」という枕詞をあちらこちらで見聞きするいま、「平和学会の歴史を紡ぐ」ことを目指す27期事務局の一員として、過去50年余の先達の知恵に学びつつ、未来のメンバーからの批判的検証にも耐え得るように緊張感と希望をもって運営に携わりたく存じます。