本学会について

 1973年に設立された本学会は、変わりゆく現実に対応しながら、平和な世界を実現するための学術活動を持続的に展開してきました。国家間紛争はもとより、軍事主義、不均衡な社会構造、貧困、環境・人権への脅威、差別など人間の安全を脅かす諸要因の除去に向けて、学際的な研究を積み重ね、平和の構想を提示してきています。

 通常の活動として、定例の春季研究大会と 秋季研究集会のほか、全国7つの地域における地区研究会の実施、さらに、学会誌『平和研究』(年2号)の刊行、平和賞・平和研究奨励賞の授与などを行っています。また、英文のニュースレターを発行して、学会活動の成果を広く世界にも発信しています。

 各地からつどう多彩な専門領域を有する会員の数は現在およそ700名ですが、平和をとりまく諸条件は絶えざる変動を続けています。3・11後のいま、<脱暴力>の思想に共鳴するより多くの人たちに、本学会の実践的研究の輪に加わっていただきたいと念願しています。

会長:奥本京子

2023年9月に日本平和学会は50周年を迎えます。現在、多層的な格差の拡大、気候変動、パンデミック、ウクライナ侵攻など、課題が山積しています。平和研究・平和活動はこれらを構造的・文化的に変革するためにも、ますます必要とされています。研究・実践活動を取り巻く環境も厳しくなっています。次の10年、20年、そして50年と将来世代に繋がっていくあり方を創造的に工夫し、会員の皆さんと共に助け合う学会を目指したいと考えています。

 

副会長:清水奈名子

国内外で非平和的な状態が続く現代世界において、長期的な平和の条件を多様な分野と方法を用いて追究していく平和研究の重要性が高まっています。研究や市民活動を取り巻く環境が厳しさを増している現在、会員同士で支え合いながら研究成果を学会内外に発信できるように尽力したいと願っています。

 

副会長:近江美保

「平和」がより多くの困難に直面している現在、人や環境を大切にするとはどういうことなのか、そのためには何ができるのかを考え、提案する場として、本学会の重要性はより大きくなっています。そうした学会と学会活動を担う会員のみなさんを、少しでもサポートできれば幸いです。

 

事務局長:熊本博之

平和は、人びとのたゆまぬ努力によって維持されるものです。平和について考え、伝え、作り上げようとする人びとが集うこの学会で、自由に意見が交わされ、新たな知識の共有がなされるよう、"leave no one behind"の精神で運営していきたいと思います。