2009年 春季研究大会プログラム

 

大会テーマ「綻びぬ平和-Sustainable Peace-」

 

2009 年 6 月 13 日(土)14 日(日)

場所:恵泉女学園大学

 

開催趣旨

 

 米国の政権交代に象徴されるように、現在世界では2001年以後の荒れた国際関係への反省と変化の期待が高まり、将来の世界に関する再設計を行うことが知的にも政治的にも重要になりつつある。ふり返ってみれば、冷戦後の1990年代には、国際社会のさまざまな問題を解決するための積極的な提案や新しい方法の模索が行われた。しかしこれらの方策は、しばしばちぐはぐで十分有効でなかった。そして2000年代の世界は、そうして方策への緻密な反省や改善策を積み重ねるのではなく、武力と暴力に基礎をおいた政策によって、問題をより複雑で解決しがたくしてしまった。今なによりも必要なことは、90年代に行われた国際的な制度作りや未完の政策構想への批判的反省と、それに根ざした現状へ向けた積極的な提言である。世界の不安定性の原因を批判的な精神と歴史的な知識をもって分析し、現在、世界のさまざまな場所で行われている平和のための多様な政策実践を制度化していくこと、21世紀世界の恒久平和のための第一歩して「綻びぬ平和」を作るための規範・理論・実践を討議する場として、本研究大会を企画・開催する所以である。

 

6月13日(土)

10:00~12:30 

午前の部

 

部会Ⅰ

平和とサステイナビリティ

 

 

報告:古沢広祐(國學院大)

「グリーン・ニューディールは可能か?」

 

報告:飯田哲也(NPO法人環境エネルギー政策研究所)

「サステナブル・エネルギーと国内外の政治」(仮)

 

報告:鬼頭秀一(東京大)

「抑圧する「エコトピア」と「サステイナビリティ」の再定義」

 

討論:植田和弘(京都大)

司会:横山正樹(フェリス女学院大)

 

 

10:15~12:30 

開催校企画

ラウンドテーブル

平和学を専門とする大学院カリキュラムの現状と課題

協力:早稲田奉仕園・庭野平和財団 

 

 

パネリスト:

Stuart Rees(オーストラリア・シドニー大名誉教授、Centre for Peace and Conflict Studies元センター長) 

Mahendra P Lama(インド・国立シッキム大学長/ Dept. of Peace and Conflict Studies and Management, School of Peace, Conflict and Human Security Studiesの創設者)

韓洪九(韓国・聖公会大学大学院)

上村英明(恵泉女学園大)

 

コメンテータ:

内海愛子(早稲田大客員教授/恵泉女学園大名誉教授)

武者小路公秀(大阪経済法科大)

 

司会:大橋正明(恵泉女学園大)

 

 

12:30~12:50 

昼食

 

12:50~14:50 

分科会

 

15:00~15:30 

総会 

 

15:40~18:30

午後の部

部会Ⅱ

米国政権交代後の平和を考える

 

報告:古矢旬(東京大)

「ブッシュ外交からオバマ外交へ」

 

報告:吉川元(上智大)

「欧州平和と米国 -綻ぶ国家と強靭な平和の狭間で」

 

報告:酒井啓子(東京外国語大)

「米国の中東政策に対するアラブ社会の反応」

 

討論:高原明生(東京大)

司会:初瀬龍平(京都女子大)

 

18:45~

懇親会(大学内ラウンジ)

 

6月14日(日)

 

9:40~12:10

午前の部

部会Ⅲ

平和を担保する-シティズンシップの可能性(J棟202教室)

 

報告:臼井嘉一(国士舘大)

「社会科教育におけるシティズンシップ教育の位置と〈平和問題〉-1930年代のラッグ社会科教育とも関わらせて」

 

報告:岡野八代(立命館大)

「フェミニズムが構想する平和-女は地球を救えるか?再考」

 

報告:中西新太郎(横浜市大)

「死を生きる若者文化の〈平和主義〉」(仮)

 

司会:君島東彦(立命館大) 

討論:宮島喬(法政大)

 

 

自由論題部会(C棟302教室)

 

 

報告:清末愛砂(島根大)

「9.11以降のイギリスの対テロ法とイスラーム・フォビアの台頭-宗教差別・レイシズム・市民的自由の観点から-」

 

報告:堀場明子(上智大アジア研究所共同研究員)

「インドネシア・アンボン紛争でみられた一般住民の紛争参与と動員構造-マリノ和平協定とその教訓」

 

司会:高原孝生(明治学院大)

 

討論:磯村早苗(國學院大)

 

12:10~12:30

昼食

 

12:30~14:30

分科会

 

14:45~17:15

午後の部

部会 Ⅳ

平和運動再考-運動間の連帯は可能か(J棟202教室)

 

報告:片野淳彦(札幌大)

「アメリカのキリスト教平和運動における平和と正義の交錯」

 

報告:石井一也(香川大)

「ガンディー死後の『ガンディー主義』-独立インドにおける『民主主義』の不可欠の構成要素として-」

 

報告:毛利嘉孝(東京藝術大)

「グローバリゼーションの時代のDiY的政治=文化運動」

 

司会:北沢洋子(アジア太平洋資料センター) 

討論:千葉眞(国際基督教大)

討論:浜邦彦(早稲田大)