2011年 春季研究大会プログラム

 

大会テーマ「越境―平和の課題として考える―」

 

2011年 6 月4日(土)5 日(日)

会場:新潟国際情報大学中央キャンパス 

 

開催趣旨

 

 2001年の9・11事件から十年、移民問題のセキュリタイゼーションという流れに押される形で、移民、特にムスリム系移民に対する差別は厳しさを増してきている。 そのように越境する人々に対する象徴的暴力を含む暴力が前景化していく一方で、難民問題に代表されるような「強いられた越境」の問題も依然として国際社会に暗い影を投げかけている。強いられた越境ということで言えば、拉致、強制連行、トラフィッキングなどの問題も忘れてはならないであろう。また、尖閣諸島問題などに代表的に見られるように越境行為による領土問題の迫り上がりといった現象も起きている。この大会では、そうした諸問題を視野に入れながら、越境する人々をとりまく包摂と排除の政治を社会的正義などの観点から捉え直しつつ、より平和な社会に向けた形での境界の再編・脱構築の可能性を探っていきたい。

 

6月4日 (土)

9:30~12:00

午前の部

 

部会Ⅰ

平和の経済学は可能か――新自由主義を超えて

報告1:高英求(中部大学)

「古典派経済学と戦争のファイナンス――租税・公債・植民地」 

報告2:石井一也(香川大学)

「ガンディー思想と経済学」 

報告3:峯陽一(同志社大)

「平和、ケア、『南』の力をはかる――GNPとHDIを超えて」

討論:勝俣誠(明治学院大)

司会:原田太津男(中部大学)

 

自由論題部会 

報告1:上原こずえ(東京大学大学院生)

「施政権返還後の沖縄における住民運動と裁判――石油備蓄基地建設反対闘争(1973-1985)における裁判をめぐって」 

報告2:津崎直人(京都大学)

冷戦後国連総会における核軍縮議論――日本、非同盟運動諸国、新アジェンダ連合提出核軍縮決議の比較検討(1994~2010年)

討論:高原孝生(明治学院大学)

司会:南山淳(筑波大学) 

 

12:00〜12:50 

休憩

 

午後の部

 

12:50〜14:50 

分科会

 

15:00〜15:30 

総会

 

15:40〜18:30 

部会II

境界の現実とその変容

報告1:岩下明裕(北大)

「ボーダー・スタディーズの挑戦――なぜ日本の国境問題が解決されないか?」

報告2:臼杵陽(日本女子大)

「イスラモフォビアと新しい境界」(諸般の事情にて当日欠席)

報告3:阿部浩己(神奈川大)

「出入国管理の系譜学――国際法言説のリアリティ」

討論:五野井郁夫(立教大)

司会:内海愛子(大阪経法大)

 

19:00〜 

懇親会

  

6月5日(日)

 

午前の部

 

9:30〜12:00 

部会Ⅲ

外部主導の越境現象とそれに抗するアフリカ

報告1:ルケバナ・トコ・ウィリー(東京大学大学院生)

「4世紀に渡る日本との「天地の創造」説―真の独立出来ぬ「アフリカ」―」

報告2:吉田敦(明治大学)

「アフリカにおける資源収奪と紛争」

討論:森川純(酪農学園大学)

司会:戸田真紀子(京都女子大学)

 

開催校企画

東アジア<共生>の条件――『安全保障』の越境と転換

報告1:古関彰一(獨協大学)

「『安全保障』概念の構造転換」

報告2:Cary Karacas(ニューヨーク市立大学)

「米国空爆史と『民衆の安全保障』」

報告3:前田哲男(沖縄大学)

「日米安保条約をこえる道」

報告4:五十嵐誠一(千葉大学)

「東アジアの平和構築と『人間の安全保障』」

討論: 中村研一(北海道大学)

司会: 五十嵐暁郎(立教大学)

 

12:00〜12:20 

休憩

 

午後の部

 

12:20〜14:20

分科会

 

14:30〜17:00

部会Ⅳ

国境を越えた社会的正義の追求――その思想と実践

 

報告1:伊藤恭彦(名古屋市立大学)

「国境を越える社会正義の思想」

報告2:上村雄彦(横浜市立大学)

「国際連帯税とグローバル・ガヴァナンス――持続可能な世界の実現に向けて」

報告3:毛利聡子(明星大学)

「トランスナショナルな社会的正義の実践――10周年を迎えた世界社会フォーラム」

 

討論:星野智 (中央大学) 

司会:押村高 (青山学院大学)