2014年 春季研究大会プログラム

 

大会テーマ「平和主義を取り戻す」

 

2014年 6 月21日(土)22日(日)

神奈川大学横浜キャンパス

プログラム

 

開催趣旨

 2014 年度春季研究大会を下記の通り、開催いたします。大会テーマは、「平和主義を取り戻す」。「積極的平和主義」の名のもとに再び軍事化が進められる状況下で、平和研究が平和の論理をどのように再生させることができるのか。グローバルな視点から探ります。部会・分科会とも、充実した報告が多数予定されております。また、開催校のご協力により、懇親会をはじめ、学会全体を通じて学会をより「祝祭的(convivial)」にするための試みが多数準備されておりますので、奮ってご参加ください。

   なお、プログラムの変更や報告レジュメ・報告ペーパーにつきましては、随時、学会ホームページ(http://psaj2014.jimdo.com/)上にてお知らせいたしますので、こちらをご覧ください。日本平和学会の研究大会・研究集会では、非会員の聴講も可能です。聴講のご案内についても、学会ホームページをご参照ください。第21 期としては、初めての研究大会となります。できるだけ多くの会員の皆様にご参加いただき、現況を内破するような活発な議論が展開されることを願っております。

 

日本平和学会第21期会長

佐々木 寛

 

 大会テーマ「平和主義を取り戻す」2013 年7 月に衆参両院のねじれが解消されて以降、安倍政権による数の横暴が続いている。それは、特定秘密保護法の強行採決、原発再稼働、普天間米軍基地の県内移設など、民意に沿わない方向に政治が暴走する事態となって現れている。海外との関係でも、トルコやインドへ政府主導で原発輸出を推し進める一方、尖閣諸島、靖国参拝、従軍慰安婦問題をめぐって、日中・日韓間の外交は冷え込んだまま、対話の兆しが見えない。もはや戦後ではなく、戦前の様相を呈しているとも言える。

 さらに2014 年は、「積極的平和主義」という名のもとでの集団的自衛権行使容認に向けた解釈改憲、武器輸出三原則の緩和など、本来の意味での「積極的平和」を捻じ曲げた言説がメディアを通じて一般市民に刷り込まれようとしている。このような緊迫した状況下にあって、平和研究者の社会的責任を問い直し続ける機会を持つことは非常に重要である。「平和主義」を取り戻す、そのための輿論を起こす場にしていきたい。

日本平和学会第20 期企画委員長 

毛利 聡子

 

 

会場校より

 神大(じんだい)と略称される神奈川大学は、閑静な住宅街を縫うように進んだ先の、小高い丘の上にあります。最寄駅である東横線白楽駅の一つ隣りの東白楽駅から来校する場合には、「定年坂」と称される坂が途次に待ち受けています。急勾配のその坂を上りゆくのが難しくなる頃に定年を迎える人が多いことから、そう呼ばれるようなったのだそうです。大会初日は白楽駅の利用をお勧めしますが、2日目は、東白楽駅から剣呑な定年坂に挑んでみるのも一興です。

 本年度春季研究大会では、愉悦にみちたコンヴィヴィアルな平和的空間を演出できないものかと浅見を巡らせています。会場は、神大の最新の施設ですが、横浜美術大学の皆さんにお手伝いをしてもらい、アートな雰囲気も創りだせればと念じているところです。

 

お問い合わせ・連絡先

神奈川大学国際人権センター

humanrights.kanagawa[at]gmail.com

*ご連絡の際には、平和学会の件であることを明記していただけますと幸いです。

 

開催校企画について〜Refugees and Peace Studies

難民の平和学〜地域の記憶を召喚する

開催校企画

藤本俊明(神奈川大学)

「難民の平和学」

石川えり(難民支援協会)

「日本の難民受け入れ〜法的、政策的含意」

  荻村哲朗(神奈川大学)

  永瀬一哉(インドシナ難民の明日を考える会)

 

「インドシナ難民の地域(神奈川)への定住過程」 トルオン・ティ・トゥイ・チャン(外国籍県民かながわ会議)

 神奈川は、横浜や川崎がその典型であるように、多様で多文化感あふれる生活の場であり、各自治体も早くから人権や多文化をまなざす政策を展開してきました。開催校企画では、神奈川の地に蓄積された経験と記憶を掘り起こし、平和学の観点から、多文化主義の現代的意義と可能性について批判的に見つめ直してみようと思います。

 その中心軸となるのは「難民」です。神奈川はインドシナ難民最多定住地域であり、地域の難民生活支援活動にも誇るべきものがあります。80年代初頭に始まったこの活動は、その後「地域の国際化」を経て「多文化共生」へと活動の幅を広げ、さまざまな軋轢を伴いながらも、地域社会の在り様を批判的に変化させるものでもありました。難民、定住支援に動いた市民、地域社会、公的機関が交差するダイナミックな現実を照らしだすことで、人種主義への対抗軸が地域の記憶の中に粛然と着床していることを実証したいと考えています。

お弁当、カフェ、そして懇親会~ Everything Is Jindai Special!

 「難民」や「神奈川」といった要素は、開催校企画の中に閉ざすのではなく、大会  全体を彩るものとして立ち上げられればとも思っています。現に、両日にわたって提供するお弁当は地元の食材をふんだんに用いた特注のものですし、カフェも同様に地域性を大切にした場として構想しています。

 懇親会ですが、前菜は近隣の都市農家が育てた野菜を中心に、メインには無国籍タウンである伊勢佐木町から大皿に盛りつけられた東南アジア料理が届きます。80年代、東南アジアからの女性労働者たちが仕事帰りに身を寄せ、相談を持ちかけた深夜の繁華街で育まれた味です。ワインは有機を目指すチリのコノスル社から、ビールはアジアから、そして日本酒も。デザートには神大が誇るカフェ・シフォンからフルーツケーキとプリン数種を用意してもらいます。

 

エクスカーション~横浜中華街のディープな味わい

別途ご案内のとおりです。

 

六角橋商店街~蠱惑する昭和な街

 神大が居を卜す六角橋には、「ハマの下町3大商店街」の一角を成す六角橋商店が時代を超えた雰囲気を醸しだしています。白楽駅から神大に向かう道のりのほぼ半分にわたって160ほどの店舗が櫛比しています。「仲見世通り」(裏通り)は、東白楽駅からの「定年坂」と並ぶお勧めコースですが、この商店街には多くの路地も走っており、それもまたこの商店街の味わいを演出しています。初日の懇親会が終わった後は、横浜駅西口やみなとみらいといった横浜の最先端を走る一角に赴くのもよいのですが、レトロ感あふれる六角橋商店街でひとときをすご していただけると、とても嬉しく思います。大会までには「実践的な助言」ができるよう、学生たちと研究を重ねておきます。なお、六角橋商店街マップのアドレスは次のとおりです。

http://www.rokkakubashi.jp/town_map/town_map.html

 

アクセス

神奈川大学横浜キャンパス3号館

春季研究大会・会場: 神奈川大学横浜キャンパス 横浜市神奈川区六角橋3-27-1

東急東横線「白楽駅」徒歩13分 

横浜駅西口/市営バス(東神奈川駅経由)

1番乗場36系統菅田町 / 緑車庫行

1番乗場82系統八反橋神大寺入口行

神奈川大学入口 / 六角橋西町 下車

http://www.kanagawa-u.ac.jp/access/yokohama/

 

6月21日

9:00-11:30 

午前の部

 

12:20-14:20

分科会

 

14:30-15:20

総会 

 

15:30-18:00

部会1/2

 

18:20-20:30 10-3(生協 シフォン)

懇親会

 

6月22日

9:30-12:00 

午前の部    

 

12:20-14:30

分科会(詳細はこちら

 

14:40-17:10 

開催校企画