第55号:今、平和にとって「国民」とは何か(2021年3月刊)

作品概要

グローバル化が進み、多種多様な国民国家がみられる今日。しかし、その理念と現実の乖離は甚だしい。「国民」の創出において、先住民や少数民族を抑圧してきた歴史や、尽きることのない移民・難民問題。「再国民化」では、排外主義的な言説や暴力を伴うことも少なくない。本号では、「国民」であることと平和の享受との関係の問い直しを迫る。

 

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目次など

巻頭言 今、平和にとって「国民」とは何か コロナ禍のなかで平和を考える  中村 都・中野裕二

 

● 投稿論文

1  国民の二層化と「移民・難民問題」の政治的構築 ヨーロッパ2015~16年“危機”の一考察  宮島 喬

 

2  日本社会の多文化化の現状から、日本の「国民」を考える  佐竹眞明

 

3  国民国家への回帰現象について考える 「脱国民国家化」から「再国民化」へ  畑山敏夫

 

● 投稿論文

4  民族の自決と国際平和の相克  吉川 元

 

5  「加害者の政治学」と国内政治による規範の制度化 ベトナム戦争時の民間人虐殺と韓国の対越政策  尹 在彦

 

● 書評

 「地域」と「市民」から読んだ平和学の3冊  勝俣 誠

  佐藤幸男・森川裕二・中山賢司編『〈周縁〉からの平和学──アジアを見る新たな視座』昭和堂、2019年

  多賀秀敏編著『平和学から世界を見る』成文堂、2020年

  稲正樹・中村睦男・水島朝穂編『平和憲法とともに──深瀬忠一の人と学問』新教出版社、2020年

 

 現代国際社会における刑事裁判の形  小阪真也

  下谷内奈緒『国際刑事裁判の政治学──平和と正義をめぐるディレンマ』

  岩波書店、2019年

 

 おぞましい学知からの解放を求めて  大野光明

  松島泰勝・木村朗編『大学による盗骨──研究利用され続ける琉球人・アイヌ遺骨』

  耕文社、2019年

 

日本平和学会の研究会活動  日本平和学会事務局

SUMMARY

編集後記  中野裕二

日本平和学会設立趣意書

日本平和学会第24期役員

日本平和学会会則