第56号:パンデミック時代における平和の条件(2021年8月刊)

オンライン・ジャーナル形式(J-Stage上で公開しています)

 

本特集の目的は、過去の非平和的な状況における多くの犠牲に学んだ知見を、より平和的な世界を次世代に引き継ぐための構想へと織り込んでいく作業を、パンデミック時代において再び意識的に始めることにある。この目的のために、パンデミック時代において検討すべき平和の課題を明らかにしたうえで、今後の世界における平和の条件について考察する。

 

依頼論文  

1 いのちの網の目の平和学 小田 博志

2 COVID-19とジェンダー「危機」と「構造」 近江 美保

3 民主主義と国際社会の動揺——パンデミックの衝撃 竹中 千春

 

書評

1 平和研究を社会へと還元する新たな試み——ドキュメンタリーの活用を通じて 日本平和学会編『戦争と平和を考えるNHKドキュメンタリー』法律文化社,2020年 佐渡 紀子

2 国連による冷戦終結後の紛争に対する調停の限界と可能性:「現場」を中心とした経験的知見から得られる解 

東大作『内戦と和平:現代の戦争をどう終わらせるか』中央公論新社,2020年 富樫 耕介

3 縮む市民社会スペースで胎動する市民社会 五十嵐誠一『東アジアの新しい地域主義と市民社会——ヘゲモニーと規範の批判的地域主義アプローチ』勁草書房,2018年 毛利 聡子

4 移動の重みと越境 金敬黙編著『越境する平和学 アジアにおける共生と和解』法律文化社,2019年 阿知良 

洋平

5 包括的な被災者支援と被害の救済に向けて 丹波史紀/清水晶紀編著『ふくしま原子力災害からの複線的復興——一人一人の生活再建と『尊厳』の回復に向けて——』ミネルヴァ書房,2019年 原口 弥生

 

第56号のオンデマンド印刷版は、9月末に発送予定です。お申し込みはこちら