『平和研究』第68号 (2027年6月刊行予定)
特集テーマ:「平和の語りを問う――記憶・忠誠・想像力」
暴力の記憶をいかに語りうるのか。文学を含む芸術における平和創造の想像力とは何か。和解や共生および非暴力の実践を促すナラティブとは何か。あるいはそれを妨げるメカニズムはいかなるものか。平和の表象をめぐる問いは多様であり、時代や社会の文脈に応じてその姿を変えてきた。
平和をめぐる言説を取り巻く状況において、平和学が果たす役割は多岐にわたる。戦争/武力紛争をめぐる報道や映像表現、記憶・トラウマ・追悼の語り、過去の戦争の美化や顕彰、現代における企業・軍隊・国家への忠誠、抑圧と抵抗の言説、ミュージアムにおける展示・アーカイブ・教育のあり方、芸術表現による平和の伝達・創造など、それぞれのテーマにおいて研究や実践が蓄積されている。
また、近年は、軍事化を正当化する歴史修正主義や排外主義に対抗して、フェミニズムや脱植民地主義などの研究や運動にも、平和研究者は取り組んできた。記念碑や戦争博物館、映像作品などに見られる忠誠、軍隊、ナショナル・アイデンティティをめぐる表象、あるいはSNS上で再生産される軍事的・家父長的言説は、平和の記憶や継承のあり方をめぐる新たな論争を呼び起こす。平和の理念を支える言説と、それを揺るがす言説の双方を視野に入れ、その構築と変容のプロセスを批判的に複合的に検討することが、いま求められている。
一方で、芸術・メディア・教育の場における平和の表象は、それぞれの社会が平和をいかに構想し、語り、伝えるかを映し出すものでもある。現代社会において平和は、政治的・制度的課題にとどまらず、文化的・言語的・象徴的な次元での再考を迫られる概念となっている。コンフリクトを転換・変容するプロセスにおいて、私たちは共感と想像力をもって、平和創造の豊かな営みを如何に可視化・言語化できるであろうか。
本特集では、「平和」や「暴力」を固定的な対概念としてではなく、言語・表象・記憶・言説・想像力の諸相において構築され、交差する複層的なプロセスとして捉えることを目指す。その文化的意味や社会的作用を多角的に検討する、理論的・実証的・実践的アプローチを広く歓迎する。また、執筆要領を満たす必要はあるが、テーマが表象にもかかわることから、「伝統的」研究論文の枠組みを超えた表現方法を模索する場合には、編集委員会までまずはお訊ね頂き、検討する余地を設けたい。
第68号ゲストエディター
奥本京子・里井洋一
1 投稿資格
投稿資格を有するのは、平和学会の会員、もしくは投稿申込以前に入会申込書が平和学会事務局に受理されている方です。なお会員に広く執筆機会を提供するために、投稿を希望する号より前の3号に原稿が掲載されている会員については、投稿資格は認められません。
2 原稿の種類
投稿原稿の種類には、平和研究に関する研究論文、研究ノート、書評論文の3種類があります。詳細については執筆要領をご確認ください。応募された投稿原稿が多数となった場合には、研究論文の掲載を研究ノート、書評論文より優先することがあります。また研究論文として投稿された場合であっても、査読の結果、研究ノートとして掲載を認める場合があります。なお、投稿原稿は未発表のものでなければならず、同一の原稿を学会誌以外に同時に投稿することはできません。平和学会の研究大会・集会時に提出をしたフルペーパーは、未発表原稿として扱います。
なお、企画趣旨の本文(最終段落)に記載がありますように、「伝統的」研究論文の枠組みを超えた表現方法を模索する場合には、編集委員会までまずはお訊ねください。
3 投稿申込締切と投稿原稿提出締切
投稿申込締切は2026年6月30日、投稿原稿提出締切は2026年8月31日です。
4 投稿申込
投稿申込締切日までに、投稿原稿の要旨と執筆者情報を所定の書式(書式1、書式2)で提出してください。
5 原稿の投稿
投稿に際しては、刊行・編集規程、投稿規程、執筆要領を確認のうえ、これらの規定に則って原稿の執筆と投稿を行ってください。これらの規定に定められた要件を満たしていない原稿は、受け付けることができませんのでご注意ください。
6 投稿申込・原稿送付の連絡先
メールで下記のアドレス宛にご連絡ください。
psajedcom(a)gmail.com((a)は@におきかえてください)
第27期編集委員会 上野友也宛
メール送信後1週間以内に受信確認の返信がない場合には、再度ご連絡ください。
7 査読結果の通知
原則として投稿後3カ月以内に査読結果を通知します。
8 オンライン・ジャーナルへの掲載
完成した原稿からオンライン上で逐次刊行となります。原則として掲載可となった原稿は、投稿から1年以内の刊行を予定しています。
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