2016年10月23日(明星大学)レイシズムにさよならする方法: 防止マニュアル作りを通じてレイシズムを考える

 

ファシリテーター: ロニー・アレキサンダー(神戸大学)、杉田明宏(大東文化大学)、鈴木晶(横浜サイエンスフロンティア高校)、高部優子(Be-Production)、暉峻僚三(川崎市平和館)、堀芳枝(恵泉女学園大学)

 

日時: 10月23日(日) 14:10-16:40

会場: 明星大学 

参加費: 無料

 

 

 平和教育プロジェクト委員会は、平和学をアカデミックな檻に閉じ込めることなく、学会員それぞれが持つ蓄積を社会に還元するとともに、色々な手法・形態のワークショップなどの実施により、様々な現場の問題意識や平和をつくる取り組みなどを吸収することを目的としている。 

 上記の目的と、激変してゆく現代の日本社会を鑑み、第22期春季大会においては、選挙権の年齢が「18 歳以上」に引き下げられたことも踏まえ、民主主義社会における主役である市民1人ひとりが、自分たちの暮らしたい社会を対話を通じて探ってゆくワークショップを提供した。

 秋季集会においては、近年日本社会において深刻な問題となっている、ヘイトスピーチも念頭に置いたプログラムを提供したいと考えている。

 近年、特定の民族や国籍をターゲットとしたヘイトスピーチが、大きな社会問題となってきた。在日韓国・朝鮮人を最大のターゲットとしたヘイトデモは、2014年をピークに減少傾向にはあり、今年になり「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律(ヘイトスピーチ対策法)」も成立施行された。しかし、日本におけるレイシズムは、世界の国々と同様、社会に深く根を張った暴力の形態であり、一つの法律が施行されたからといって解決するような表面的な問題ではない。

 平和教育を行うということを、別の言葉で言いかえれば、「他との関係性において、自分(たち)はどのような社会に暮らしたいのか。他とどう生きてゆくのか」を考え、語り、実行してゆく場を創造し、提供してゆくことでもある。

 秋季集会において、平和教育プロジェクト委員会では、社会の構造に深く埋め込まれており、直接的暴力を正当化する文化的暴力としても機能し、また直接的な暴力としても行使される、レイシズムについて考えるワークショップを提供する。参加者が思い描く単位の公的空間において、行為・言動としてのレイシズムを防止するためのマニュアル作りを通して、私たちの社会に存在するレイシズムを見つめること、そして、レイシズム防止マニュアルという、ネガティブフィルタリングでレイシズムを克服することができるのかを話し合うことで、「レイシズムへさよならする」ことを考える機会としたい。

 

文責: 平和教育プロジェクト委員会

委員長 暉峻僚三